トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS

過去のセミナー/2010年度 の履歴(No.33)


2010年度 組合せ数学セミナー

  • 世話人: 溝口 佳寛(九大数理),坂内 英一(九大数理),谷口哲至(松江高専)

第5回 2011年 1月 8日(土)

  • 場所: 九州大学 伊都キャンパス 数理棟 3F 中セミナー室7
  • 時間: 12:40-17:40
  • 講演者: Kissani Perera (九大数理),須田庄(東北大情報),野崎寛(東北大情報),木本一史(琉球大理),山田拓身(島根大総合理工)
  • プログラム
    講演者タイトル
    12:40-12:45開会宣言(谷口 哲至)
    Kissani PereraTBA
    須田 庄複素球面上のデザインとコードについて
    野崎 寛距離集合と Larman-Rogers-Seidel の定理の一般化
    木本 一史一般化内容多項式
    山田拓身不定値計量におけるヴァイツェンベック公式の応用
    17:35-17:40総括(坂内 英一)
 
  • アブストラクト

Kissani Perera (九州大学大学院 数理学府)

  • タイトル: TBA

須田 庄(東北大学大学院 情報学研究科)

  • タイトル: 複素球面上のデザインとコードについて
  • アブストラクト:

1977年、Delsarte, Seidel, Goethals によって実ユークリッド空間の単位球面上の有限部分集合に対してデザインとコードの概念が定義された。 本講演では複素ユークリッド空間の単位球面上の有限部分集合に対してデザインとコードの定義をする。

更に複素球面上のデザインと実球面上、複素射影空間上のデザイン、また可換な非対称アソシエーションスキームとどのように関連していくかを紹介する。

野崎 寛(東北大学大学院 情報学研究科)

  • タイトル: 距離集合と Larman-Rogers-Seidel の定理の一般化
  • アブストラクト:

ユークリッド空間 上の有限集合が s 距離集合であるとは, 互いに異なる2点間の距離の種類が s 個である時を言う。 例えば,正方形の頂点集合は,辺と対角線にあたる2種類の距離があり, 2距離集合であると言える。 上の s 距離集合には元の個数に対して,ある上界が知られており, ds を固定した時に,元の個数が最大になる s 距離集合を決定,分類することが, 距離集合の基本的な問題である。 Larman-Rogers-Seidel は,次元に対してある程度大きい2距離集合に対して, 距離の二乗比が,整数比になるという強い結果を与えた。 つまり,元の個数が 2d+4 以上の2距離集合に対して, a, b をその2つの距離としたときに, となる整数 k が存在するという主張である。 この講演では,その定理の任意の s への拡張を紹介し, その証明を与えることを目標とする。

木本 一史(琉球大学理学部)

  • タイトル: 一般化内容多項式
  • アブストラクト:

内容多項式(content polynomial)とは分割(のヤング図形)から定まる多項式で, たとえばヤング図形の(書き込む数字の上限を決めたときの)半標準盤の個数を与える公式などに現われる. 本講演では,内容多項式が「 行列式が生成する -加群」の既約分解を調べる際にも現われる(Matsumoto-Wakayama, 2006) ことを立脚点とした内容多項式の一つの一般化について紹介する.

山田 拓身(島根大学総合理工学部)

  • タイトル: 不定値計量におけるヴァイツェンベック公式の応用
  • アブストラクト:

TBA

 

第4回 2010年11月20日(土)

(今回は,「論理と計算セミナー」との合同開催です)

  • プログラム
    講演者タイトル
    9:25-9:30開会宣言(谷口 哲至)
    9:30-10:00佐野 良夫グラフの競争数
    10:00-10:30小畑 智博ポリヘクスグラフの異性体
    10:45-11:15奈良 知惠最小面積の境界をもつ3次元空間分割とケルヴィン予想
    11:15-11:45井口 修一可逆な線形ハイブリッドセルオートマトン
    13:30-14:30井田 哲雄代数的折紙計算論からの話題
    14:45-15:15川崎 英文1次元折り紙の平坦折りについて
    15:15-15:45春名 太一Canonical Structure Obtained from Dual View on Directed Graphs
    15:45-16:15井原 健太郎Computations of multiple periods of weight two cusp forms
    16:30-17:00小野 克彦ある自己相反多項式の零点の配置について
    17:00-17:30篠原 雅史低い次元の距離集合の有限性について
    17:30-18:00古澤 仁任意の上限について素な完備べき等左半環の多重関係による表現
    18:00-18:05総括(溝口 佳寛)
 

佐野 良夫(浦項工科大学)

  • タイトル: グラフの競争数
  • アブストラクト:

1968年 J. E. Cohen は、生態学の問題と関連して、 有向グラフに対して定義される「競争グラフ」という概念を導入した。 その競争グラフの概念をもとに、1978年 F. S. Roberts は、 (無向)グラフに対して「競争数」と呼ばれる数を定義した。 1982年に R. J. Opsut はグラフの競争数を求める計算問題はNP困難問題であることを示しており、 一般のグラフに対して、この競争数を求めるのは難しい問題である。 本発表では、このグラフの競争数について、 今までに知られている結果および発表者が最近得た結果について紹介したい。

小畑 智博(九州大学大学院 数理学府)

  • タイトル: ポリヘクスグラフの異性体
  • アブストラクト:

ポリヘクスグラフの考察は、 化学分野におけるベンゼノイド炭化水素と関連し、応用が期待される。 そのため、ポリヘクスグラフ異性体の数え上げは、 化学・数学の両側から挑戦されている。 今回は、ポリヘクスグラフの数え上げの様々な手法の中から、 いくつかを紹介する。

奈良 知惠(東海大学 理学部)

  • タイトル: 最小面積の境界をもつ3次元空間分割とケルヴィン予想
  • アブストラクト:

「3次元空間を等体積の立体で分割して、 境界の面積の平均値を最小にせよ」という問題に対して、 各立体は「合同な多面体」という条件のもとに、 ケルヴィン予想の切頭八面体に関連した結果について述べる (伊藤仁一氏との共同研究)。

井口 修一(九州大学大学院 数理学研究院)

  • タイトル: 可逆な線形ハイブリッドセルオートマトン
  • アブストラクト:

セルオートマトンは、一般に、単一の局所遷移規則を用いて定義する場合が多いが、 複数の局所遷移規則で定義されるハイブリッドセルオートマトンと言われるものが提案されている。 このうち、3近傍局所遷移規則を2つ用いた90/150ハイブリッドセルオートマトンや、 balancedな規則を用いたハイブリッドセルオートマトンの可逆性は決定可能であることが報告されている。
ここでは、balancedな局所遷移規則の一部であり、 90,150を含む線形な局所遷移規則を用いたハイブリッドセルオートマトンを対象にする。 これらの可逆性について議論し、具体的な構成方法について述べる。 また、その個数を示す。

井田 哲雄(筑波大学大学院 システム情報工学研究科)

  • タイトル: 代数的折紙計算論からの話題
  • アブストラクト:

藤田の折紙の折り方原理は,ユークリッド幾何学で用いる, 定規とコンパスの作図より強力である, 折紙の構成手順はグラフ書換や項書換でモデル化できる, 折紙幾何定理の自動証明ができるなどはその一例である. 折紙をコンピュータを援用して研究すると,美しい画像が容易に得られて楽しい上に, さらに深い数学的な理解が可能になってくる. 本講演では,開発中の計算折紙のシステムを活用しつつ, いくつか興味深い実例を用いて,背後にある代数的なモデルの説明を行う.

川崎 英文(九州大学大学院 数理学研究院)

  • タイトル: 1次元折り紙の平坦折りについて
  • アブストラクト:

閉区間 , の節点 に山谷が与えられたものを1D折り紙とよび、 それを平坦に折りたたむ問題を考察する。 この問題を考える際に重要な役割を演じるのが「端折り」と「クリンプ」である。 端折りは、一番端の枝がその隣の枝より短いか等しいときに、 それを折りたたんで1本の枝にする操作である。 また、クリンプは隣接する3本の枝のうち中央の枝が一番短く、 その両端の山谷が異なるとき、それらを折りたたんで1本の枝にする操作を指す。 Arkin 他(2004)は平坦可折な1D折り紙は端折りとクリンプで折りたたむことができることを示した。 しかしながら、その証明の一部に論理のギャップがあるため、 本発表では、平坦可折性の組み合わせ的定義を与え、厳密な証明を与える。 さらに、1D折り紙の両端点を同一視した1D閉折り紙について、 平坦可折ならばクリンプのみで折りたためることを示す。

春名 太一(神戸大学大学院 理学研究科,JSTさきがけ)

  • タイトル: Canonical Structure Obtained from Dual View on Directed Graphs
  • アブストラクト:

A system of interacting elements can be represented by a directed graph so that elements are nodes and interaction between two elements is an arc. In real view on directed graphs each node is just a point, each arc represents some kind of interaction between two nodes and nothing more. However, in many real systems, each element has its own intra-node process. Hence we can interpret interaction between two elements as interface between two intra-node processes. This dual view on directed graphs can be formulated in the framework of category theory. In particular, we use left Kan extensions to construct a mathematical expression for dual view. We show that a new notion of connectedness which we call lateral connectedness (LC) emerges as a canonical structure obtained from dual view. We discuss applications of LC to the study of complex networks.

井原 健太郎(浦項工科大学)

  • タイトル: Computations of multiple periods of weight two cusp forms
  • アブストラクト:

In [1], we introduced the 'multiple L-function' associated with a tuple of elliptic cusp forms, which generalize the usual L-function associated to a cusp form, and gave an explicit description of the function in terms of the iterated period integrals introduced by Manin in [2]. This generalizes the classical expression of the Mellin transformation of a cusp form in terms of its L-function.
 
In this talk, we consider the space spanned by all critical values of multiple L-function associated to the tuple of cusp forms running in the space of cusp forms of weight two and of fixed level N. We can show that the space becomes a subalgebra of the field of complex numbers under the rule of 'shuffle product'. We first explain that there are many linear relations among multiple L-values of same degree, where degree means the number of variables of L-function, or which coincides with the number of iteration of the iterated integrals of Manin. Next, we show a data of numerical computation. The table contains the sequence of dimensions of the degree n-component of the algebra (for small levels). This experiment may suggests that the algebra structure is quite simple and interesting in some case. We will state a conjecture for the number of algebra generators for the case of small levels. (The results in the talk is included in [3].)
 
[1] Y.Choie, K.Ihara; Iterated period integrals and multiple Hecke L-functions, preprint (2010).
[2] Y.I.Manin; Iterated Shimura integrals (2005).
[3] K.Ihara; Algebra structure of period spaces of weight two cusp forms, in preparation.

小野 克彦(九州大学大学院 数理学府)

  • タイトル: ある自己相反多項式の零点の配置について
  • アブストラクト:

1999年にDuursmaが代数曲線上のゼータ多項式の類似として定義した 符号理論のゼータ多項式の特徴から導いた自己相反多項式が持つ性質を 予想を交え紹介する。

篠原 雅史(鈴鹿工業高等専門学校)

  • タイトル: 低い次元の距離集合の有限性について
  • アブストラクト:

d-次元ユークリッド空間上の有限部分集合 Xk-距離集合であるとは, X の中の相異なる二点間の距離が丁度 k 種類出てくるときをいう. 相似な 2 つの集合を同型とする. ここでは主に, 同型類の個数がいつ有限個になるか, という問題について考える. k=2 のとき, Einhorn-Shoenberg (1966) は d+2 点以上の 2-距離集合は有限個であることを示した. d+1 点の 2-距離集合は無限に存在するので, この値は有限と無限の境界を与えている. (regular simplex に上手く一点を加えてあげれば, 無限個の非同型な 2-距離集合が作れる.) 本講演では低い次元(直線や円周)上の距離集合についての結果を紹介する. 特に, この場合の k-距離集合に対し, 有限と無限の境界を与える.

古澤 仁(鹿児島大学大学院 理工学研究科)

  • タイトル: 任意の上限について素な完備べき等左半環の多重関係による表現
  • アブストラクト:

 第5回論理と計算に関するセミナーにおいて, 完備べき等左半環の関係による表現と多重関係による表現について報告した際, 2種類の表現で相違点がはっきするような数学的な性質は無いのかとのコメントを頂いた. このことをきっかけに考察した結果, 任意の上限について素な完備べき等左半環を考えると, 関係的表現は一般には得られない一方で,多重関係的表現は得られ, しかも表現における上限が集合和で与えられることが分かったので報告する.
 本研究は鳥取環境大学の西澤弘毅氏との共同研究である.

 

第3回 2010年 9月 1日(水)

  • プログラム
    講演者タイトル
    12:40-12:45開会宣言(谷口 哲至)
    12:45-13:35田上 真Euclidean design と potential energy について
    13:50-14:40坂下 一生量子回路の等価変換と変換規則の完備化
    15:00-15:50吉良 知文非決定性動的計画で求める対局ゲーム必勝法
    16:05-16:55原田 哲夫Klyachkoの定理より導かれるいくつかの不等式
    17:05-17:35Short Communication
    17:35-17:40総括(坂内 英一)
 
  • アブストラクト

田上 真(東北大学大学院 理学研究科)

  • タイトル: Euclidean design と potential energy について
  • アブストラクト:

Euclidean design の観点から Euclid 空間上の有限点集合と potential energy との関係について考察する。 特に Euclidean design の立場から Euclid 空間上有限点集合の universally optimal code の定義の一つの候補とその一つの十分条件を提示する。 この研究は三枝崎剛氏(東北大)との共同研究である。

坂下 一生(九州大学大学院 数理学府)

  • タイトル: 量子回路の等価変換と変換規則の完備化
  • アブストラクト:

まず,一般的な書換え規則の完備化に関する種々の定義とそのアルゴリズムの概要について紹介する。 次に量子コンピュータの手続きを記述するために用いられる"量子回路"を定義し, それをひとつの書換え系と捉えその変換規則を完備化することで得られた結果を紹介する。

吉良 知文(九州大学大学院 数理学府)

  • タイトル: 非決定性動的計画で求める対局ゲーム必勝法
  • アブストラクト:

我々が直面する意思決定問題の多くは, 決定という行為が一度で完了せず, 一度とった決定の結果から生じる状況の変化に応じて何度も決定を下すという多段階の問題に帰着されることが多い。 このような問題を効率よく解決する手法の一つが動的計画法である。 本報告では非決定性状態推移システムをもつ問題に対する動的計画法を用いて対局ゲームの必勝法を求めることを考える。 この研究は藤田敏治氏(九工大)との共同研究である。

原田 哲夫(久留米工業高等専門学校)

  • タイトル: Klyachkoの定理より導かれるいくつかの不等式
  • アブストラクト:

近年、KlyachkoやFultonらにより、Horn Conjectureが解かれた。 ここではまず、Horn Conjectureについて説明し、 それからいくつかの有名な不等式が導かれることや、 新しい不等式が導かれることなどを示す。

 

第2回 2010年 7月10日(土)

  • プログラム
    講演者タイトル
    12:40-12:45開会宣言(谷口 哲至)
    12:45-13:35平坂 貢On balanced coherent configurations with a fiber of prime size.
    13:50-14:40田中 立志多重ゼータ値のBowman-Bradleyの定理とその多重ゼータ・スター値版
    15:00-15:50谷口 哲至Hoffman graph
    16:05-16:55宗政 昭弘A characterization of quasi-line graphs
    17:05-17:35Short Communication
    17:35-17:40総括(坂内 英一)
 
  • アブストラクト

平坂 貢(釜山大学)

  • タイトル: On balanced coherent configurations with a fiber of prime size.
  • アブストラクト:

Let G be a permutation group of a finite set . Then is the disjoint union of the orbits of G. Suppose that the actions of G on s have the same permutation character. Then the orbits of G acting naturally on forms a balanced coherent configuration. In this talk we focus on this situation under the assumption the size of is a prime to show some related topics ans results. This is a joint work with Reza Sharafdini.

田中 立志(九州大学大学院 数理学研究院)

  • タイトル: 多重ゼータ値のBowman-Bradleyの定理とその多重ゼータ・スター値版
  • アブストラクト:

BowmanとBradley(J. Combin. Theory Ser. A 97, 2002)や宗田(Proc. Amer. Math. Soc. 137, 2009)により, シャッフル代数のある等式を示すことで多重ゼータ値のある特殊値が有理数倍を除けば 冪であることが示された. 本講演では, 彼らの結果の多重ゼータ・スター値版も成立することを紹介する. 具体的には, ハーモニック代数のある等式を示し, それを用いて多重ゼータ・スター値のある特殊値が有理数倍を除けば 冪であることを示す. 本結果は斎藤新悟氏, 近藤宏樹氏との共同研究である.

谷口 哲至(松江工業高等専門学校)

  • タイトル: Hoffman graph
  • アブストラクト:

Hoffman graph とは、Generalized line graph の一般化をする際の道具である。 Hoffman graph を使うことで、 「Generalized line graph は root system で表される」という P. J. Cameron、J. M. Goethals、J. J. Seidel、E. E. Shult 達の結果の証明を簡単にできると考えられる。 今回の講演で、Hoffman graph とそのテクニックを紹介する。

宗政 昭弘(東北大学大学院 情報学研究科)

  • タイトル: A characterization of quasi-line graphs
  • アブストラクト:

点と辺からなる graph において辺をあらたに点とみなして作った graph を line graph という.Line graph のクラスを含むクラスとして, 代数的グラフ理論では generalized line graph,グラフ構造論では quasi-line graph という,異なる一般化がなされている.Generalized line graph を簡単に特徴付けできる道具が Hoffman graph の概念であり, これを用いて quasi-line graph も特徴付けできることを示す.

 

第1回 2010年 5月 8日(土)

  • プログラム
    講演者タイトル
    12:40-12:45開会宣言(谷口 哲至)
    12:45-13:35栗原 大武球への埋込みを通じて得られる新しいQ多項式スキームの同値条件について
    13:45-14:35奥田 隆幸コンパクトリー群上のデザインと符号についての不等式
    14:45-15:35溝口 佳寛有向グラフに対するスペクトラル法による分割について
    15:45-16:35Kissani PereraLaplacian energy of Directed Graphs
    16:45-17:35重住 淳一On maximality of distance sets with the structure of Johnson graph
    17:35-17:40総括(坂内 英一)
 
  • アブストラクト

栗原 大武 (東北大学大学院 理学研究科)

  • タイトル: 球への埋込みを通じて得られる新しいQ多項式スキームの同値条件について(野崎寛氏との共同研究)
  • アブストラクト:

1977年にLarmanとRogersとSeidelによってユークリッド空間内の2距離集合の点の個数がある程度大きくなると距離の2乗比に出てくるある値Kが整数になることが示された。 そして2005年に坂内英一氏と坂内悦子氏によってクラス2の原始的なアソシエーションスキームを球面に埋め込んだ際にこのKがアソシエーションスキームの指標表の中に出てくることが示された。 一方2009年に野崎寛氏によってLarman達の結果を一般のs距離集合に対して拡張できることが示された。

本講演ではこの野崎氏の結果とクラスdQ多項式スキームとの対応があり、 それが坂内氏達の結果の一般化になっていることを見ていく。 更に逆に一般のクラスの対称なアソシエーションスキームを球面に埋め込んだ際に出てくるKの一般化にあたる定数達が指標表に出てくると仮定するとこのアソシエーションスキームはQ多項式スキームになることを見ていく。

奥田 隆幸 (東京大学大学院 数理科学研究科)

  • タイトル: コンパクトリー群上のデザインと符号についての不等式
  • アブストラクト:

球面上のデザインと符号の理論において、「堅いデザイン」は重要な研究対象であるが、 その定義には以下の重要な事実が用いられる。 すなわち、“デザイン、符号それぞれにおいてFisher型と呼ばれる不等式が存在し、 またその不等式の等号成立の場合には、 デザインであることと符号であることは同値”となることである。 この結果の一般化として、これまでに rank 1 のコンパクト対称空間、 実および複素 Grassman 多様体などにおいて同様の結果が成り立つことが知られている。 この講演では、一般のコンパクトリー群について、表現論の言葉を用いてデザインと符号を定義し、 Fisher型不等式の「コンパクトリー群」版、 またその等号成立の場合にデザインと符号が結びつくことを紹介する。

溝口 佳寛 (九州大学大学院 数理学研究院)

  • タイトル: 有向グラフに対するスペクトラル法による分割について
  • アブストラクト:

グラフのスペクトラル法による分割(クラスタリング)について紹介します. 無向グラフについての理論背景と応用例の紹介, そして, その有向グラフへの拡張可能性について述べます.

Kissani Perera (九州大学大学院 数理学府)

  • タイトル: Laplacian energy of Directed Graphs
  • アブストラクト:

Energy has been studied in mathematical perspective as well as physical perspective for several years ago. In spectral graph theory, the eigenvalues of several kinds of matrices have been studied, of which Laplacian matrix attracted the greatest attention [2]. Recently, in 2009, Adiga considered Laplacian energy of directed graphs using skew Laplacian matrix, in which degree of vertex is considered as total of the out-degree and the in-degree. Since directed graphs play an important role in identifying the structure of web-graphs as well as communication graphs, we consider Laplacian energy of simple directed graphs, complete directed graphs and their line graphs and find some relations relevant to arc addition of directed graphs by using the general definition of Laplacian(Kirchoff) matrix. Unlike in [1], we derived two types of equations for simple directed graphs and completed directed graphs with vertices. Our objective extended to enumerate the structure of directed graphs using the energy concept. For that we consider the class which consists of non isomorphic graphs with energy less than some and find 47 non isomorphic directed graphs for class .

References
[1] C. Adiga and M. Smitha. On the skew laplacian energy of a digraph. International Mathematics Forum 4, 39:1907—1914, 2009.
[2] D.M. Cvetkovic, M. Doob, and H. Sachs. Normalized cuts and image segmentation. In Spectra of Graphs: Theory and Applications, volume 3, 1995.

重住 淳一 (九州大学大学院 数理学研究院)

  • タイトル: On maximality of distance sets with the structure of Johnson graph
  • アブストラクト:

In the classification of the maximal 2-distance sets, Lisoněk considered the 2-distance sets which include the structure of triangular graph T(n) (= J(n, 2)). As a generalization, we consider the maximal distance sets on with the structure of Johnson graph J(n, m). In this talk, we determine the condition that the realizations of J(n, m) on should be maximal. Furthermore, we would like to talk about some maximal distance sets with the structure of Johnson graph.

This is joint work with Eiichi Bannai and some members of the program “Excellent Students in Science” of Fuculty of Science, Kyushu University.