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過去のセミナー/2012年度 の履歴(No.6)


2012年度 組合せ数学セミナー

Organizers:
  Yoshihiro Mizoguchi (Kyushu University),
  Tetsuji Taniguchi (Matsue College of Technology),
  Tsuyoshi Miezaki (Oita National College of Technology)

  • アドバイザー: 坂内 英一(上海交通大学/九州大学)

Advisary:
  Eiichi Bannai (Shanhai Jiao Tong University / Kyushu University)

第1回 2012年 6月 2日(土)

  • 場所: 九州大学 西新プラザ 中会議室(2F)
    (Location: Meeting Room, Nishijin Plaza, Kyushu University)
  • 時間: 13:00-18:00
  • 講演者: 島袋修(崇城大),田坂浩二(九大数理),城戸浩章,秋山正和(九大IMI)
  • プログラム(Program)
    講演者(Speaker)タイトル(Title)
    12:55-13:00開会宣言(谷口 哲至)
    Opening (Tetsuji Taniguchi)
    13:00-13:50島袋 修
    (Osamu Shimabukuro)
    TBA
    14:05-14:55田坂 浩二
    (Koji Tasaka)
    The formulas of representing integers as sums of squares
    15:25-16:15城戸 浩章
    (Hiroaki Kido)
    TBA
    16:30-17:20秋山 正和
    (Masakazu Akiyama)
    A Mathematical Model of Cleavage
    総括(溝口 佳寛)
    Closing (Yoshihiro Mizoguchi)
 
  • アブストラクト(Abstract)

島袋 修 (崇城大学)

  Osamu Shimabukuro (Sojo University)

  • タイトル(Title): TBA

田坂 浩二 (九州大学大学院 数理学府)

  Koji Tasaka (Kyushu University)

  • タイトル(Title): The formulas of representing integers as sums of squares
  • アブストラクト(Abstract):

ある自然数を s 個の平方数の和で表す方法の個数の明示公式 の研究は1800年前後からなされており, 数論の古典的な問題の一つである. これに対し, 今回, s が8の倍数のときに新たな公式が見つかったので, それを 紹介する.

城戸 浩章 ()

  Hiroaki Kido ()

  • タイトル(Title): TBA

秋山 正和 (九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所)

  Masakazu Akiyama (Kyushu University)

  • タイトル(Title): A Mathematical Model of Cleavage
  • アブストラクト(Abstract):

 卵割とは発生の初期段階において、受精卵が全体のサイズをほぼ一定に保ちつつ、 分裂を繰り返しながら、細胞数を増やしていく過程である。 この間、割球同士の配置やタイミングがいかに調整されて、自己を複雑に形作るのかは謎とされている。 このような発生現象は一般的に、遺伝子すなわち分子レベルの情報で決まっていると考えられがちである。 しかしながら、黒田玲子氏(東京大)が行った巻貝に対する一連の実験[1]からもわかるように、 物理的な外力が巻貝の巻き方を反転させることから、発生は遺伝子の情報がすべてを決めているのではなく、 より単純な別の原理により起こっているに違いない。 我々は図1のようなウニとナマコの卵割パターンについて、 卵内の分裂装置の位置が卵の形状とモルフォゲンにより決まっているという単純な仮説を立て、 数値シミュレーションを行った。 その結果、このような複雑な形状を持つ卵割を再現することができた。

 ウニ卵の動物極・植物極付近にはそれぞれ異なる拡散性の化学物質が存在していることがわかっている。 ここでは、これらが中心体の動きに影響を与えるという仮説を用いた。 例えば、中心体に対して動物極からの化学物質が忌避性を、植物極からの化学物質が誘因性を持った場合、 図2にあるような複雑なウニの卵割が再現できた。 上段は実際の卵割、下段はシミュレーションであり、16細胞期のような複雑な形状を持つ場合でさえ、 中心体の方向性だけでなく、小割球-中割球-大割球までもが再現できている。このことからわかるとおり、 卵割の再現は化学物質の拡散現象が重要であると考えることができる。 本発表ではモデルをより深く掘り下げて紹介するとともに、ナマコへのモデルの適用性なども紹介する。

figure2.png

参考文献
[1] Chiral blastomere arrangement dictates zygotic left-right asymmetry pathway in snails, Nature 462, 790-794, 10 December 2009.