* 2013年度 組合せ数学セミナー [#o3645a24]
-世話人: [[溝口 佳寛:http://imi.kyushu-u.ac.jp/~ym/]](九大IMI),[[谷口 哲至:http://researchmap.jp/tetsuzit-14/]](松江高専),島袋 修(崇城大),田上真(九州工大), 栗原大武(北九州高専)
Organizers:~
[[Yoshihiro Mizoguchi:http://imi.kyushu-u.ac.jp/~ym/]] (Kyushu University),~
[[Tetsuji Taniguchi:http://researchmap.jp/tetsuzit-14/]] (Matsue College of Technology),~
Osamu Shimabukuro (Sojo University),~
Makoto Tagami (Kyushu Institute of Technology),~
Hirotake Kurihara (Kitakyushu National College of Technology)
-アドバイザー: 坂内 英一(上海交通大学/九州大学)
Advisary:~
Eiichi Bannai (Shanhai Jiao Tong University / Kyushu University)
*** 第4回 2014年 2月8日(土) [#i6j889sx]
-[[Hakata Workshop(博多ワークショップ)~Discrete Mathematics and its Applications:http://comb.math.kyushu-u.ac.jp/?Hakata%20Workshop%202014]]
-場所: [[リファレンス駅東ビル:http://www.re-rental.com/index.html]]4階(会議室R)
-時間: 9:15-17:30
-講演者:土屋翔一(東京理科大),千葉周也(熊本大),瀬戸道生(島根大),横山俊一(IMI),篠原雅史(滋賀大),Jong Hyeon Seo(釜山大)
*** 第3回 2014年 1月6日(月) [#m7iut5k9]
-場所: [[九大伊都キャンパス:http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/info/index.html]] 数理棟B1階中会議室
-時間: 16:30-17:30
-講演者: Jacobus H. Koolen(University of Science and Technology of China)
-Abstract:In this talk I will discuss the existing theory for graphs with
exactly three distinct eigenvalues. Also I will present some new results.
*** 第2回 2013年 9月 21日(土) [#zbx2bmx6]
-場所:[[小倉駅北口KMMビル:http://www.k-kosan.co.jp/kaigi/access.html]]第5会議室
-時間:10:00-17:00
-講演者: 田上真(九工大),城戸浩章(福岡大),小野寺有紹(九大),池田有希(九大),松田康雄(久留米高専),神吉知博(松江高専),岩見智宏
-プログラム(Program)
||~講演者(Speaker)|~タイトル(Title)|
|10:00-10:05|>|開会宣言(谷口 哲至)&br; Opening (Tetsuji Taniguchi)|
|10:05-10:50|[[田上 真>#tagami-01]]&br; (Makoto Tagami)|調和指数のSpherical Design&br;|
|11:00-11:45|[[城戸 浩章>#kido-01]]&br; (Hiroaki Kido)|有限体の加法群に対する一般アダマール行列について&br;(On generalized Hadamard matrices over additive groups of finite fields) |
|12:55-13:40|[[小野寺 有紹>#onodera-01]]&br; (Michiaki Onodera)|求積曲面の一意性について&br;(On the uniqueness of quadrature surfaces) |
|13:50-14:10|[[池田 有希>#ikeda-01]]&br; (Yuki Ikeda)|グラフ上の追跡戦略と回避戦略&br; |
|14:10-14:55|[[松田 康雄>#matuda-01]]&br; (Yasuo Matsuda)|楽しむ初等数学&br; |
|15:15-16:00|[[神吉 知博>#kamiyoshi-01]]&br; (Tomohiro Kamiyoshi)|部分ルート格子の数え上げと一般化されたスターリング数について&br;(On counting root sublattices and a generalized Stirling number) |
|16:10-16:55|[[岩見 智宏>#iwami-01]]&br; (Tomohiro Iwami)|アソーシエーション・スキーム的な手法を考慮した、亜群による商空間の構成に現れるブートストラップ型定理&br;(Bootstrap type theorem in the construction of quotient spaces by groupoids with regards to "association scheme"-like methods) |
|16:55-17:00|>|総括(溝口 佳寛)&br; Closing (Yoshihiro Mizoguchi)|
#br
-アブストラクト(Abstract)
***田上 真 (九州工業大) [#tagami-01]
Makoto Tagami (Kyushu Institute of Technology)
-タイトル(Title):調和指数のSpherical Design &br;
-アブストラクト(Abstract):
Spherical &mimetex(t);-design は球面上の有限部分集合で 、&mimetex(t);次までの任意の多項式に対して、球面上の積分による平均値を、その集合上の平均和に置き換えることができるものを言う。spherical &mimetex(t);-designになる為の同値条件が調和多項式の言葉で与えられることはよく知られている。この観点から我々は調和指数 &mimetex(t); の spherical designを導入し、その構成法と、濃度に関する linear programming bound を与える。また, この linear programming bound が整数値になる時、そのバウンドを達成する調和指数 t の spherical design が存在するかどうかを考察する。この研究は坂内英一氏、奥田隆幸氏との共同研究である。
***城戸 浩章(福岡大)[#kido-01]
Hiroaki Kido (Fukuoka University)
-タイトル(Title): 有限体の加法群に対する一般アダマール行列について&br;(On generalized Hadamard matrices over additive groups of finite fields)
-アブストラクト(Abstract):
&mimetex(k\,(=u\lambda));次正方行列&mimetex([d_{ij}]);が位数&mimetex(u);の有限群&mimetex(U);上の一般アダマール行列&mimetex("\mathrm{GH}(u,\,\lambda)");であるとは、&mimetex(\displaystyle \sum_{1\leq j\leq k}d_{ij}d_{\ell j}^{-1} =\lambda\sum_{g\in U}g\in \mathbb{Z}[U]); &mimetex((1\leq i\neq \ell\leq k));を満たすことをいいます。(なお、この定義において、有限群&mimetex(U);が乗法群&mimetex("\{ 1,\,\ -1 \}");の場合はよく知られたアダマール行列となります。)
本講演では、有限群&mimetex(U);が有限体の加法群&mimetex(\mathrm{GF}(q));のときの一般アダマール行列&mimetex("\mathrm{GH}(q,\,q)");および&mimetex("\mathrm{GH}(q,\,q^{2})");の具体的な構成法について述べます。
***小野寺 有紹(九州大)[#onodera-01]
Michiaki Onodera (Kyushu University)
-タイトル(Title):求積曲面の一意性について &br;(On the uniqueness of quadrature surfaces)
-アブストラクト(Abstract):
与えられた測度 &mimetex(\mu); に対し &mimetex(\mathbb{R}^n); 内の超曲面 &mimetex(\Gamma); が &mimetex(\mu); の求積曲面であるとは, 任意の調和函数 &mimetex(h); の &mimetex(\Gamma); 上の積分値が &mimetex(h); の測度 &mimetex(\mu); による積分値と等しくなることをいう.
その最たる例は, &mimetex(\mu); が Dirac 測度, &mimetex(\Gamma); が球面の場合であり, これは調和函数の平均値の性質に他ならない.
調和函数のなす空間は一般に無限次元であるが, 驚くべきことに, 与えられた測度 &mimetex(\mu); に対してその求積曲面 &mimetex(\Gamma); が少なくともひとつ存在することが示されている.
本講演では, 一般に成り立たないことが知られている一意性の問題に対して, 連続的な求積曲面の族の一意性を考察し, それが成立するための幾何学的条件を与える.
また, 求積曲面および求積領域に対し, 変分法や函数解析などの解析的手法が有効かつ美しく適用される様を紹介したい.
***池田 有希(九州大)[#ikeda-01]
Yuki Ikeda (Kyushu University)
-タイトル(Title):グラフ上の追跡戦略と回避戦略 &br;
-アブストラクト(Abstract):
頂点数&mimetex(n);のグラフ上をランダムウォークする二つの物体(ハンターとウサギと呼ぶ)の衝突までの時間の期待値について考察を行った.ハンターはグラフの辺にそってランダムウォークするが,ウサギは任意の頂点へとジャンプすることができる.同時刻にハンターとウサギが同じ頂点上に位置するとき,ハンターはウサギを捕まえたと考える.ここでハンターはウサギをできるだけ短い時間で捕まえる,ウサギは捕まるまでの時間を最大化することが目的となり,このような戦略をたてる必要がある.
Adlerらは2003年に,いくつかの条件下でウサギが捕まるまでの時間の期待値の上限および下限を求めた.&br;
我々はAdlerらの方法を一般化し,よい評価値を得ることができたので報告する.任意のグラフに対し,あるハンターの戦略を与えるとウサギを捕まえるまでの期待値の上限が高々&mimetex(16n\log(diam(G)));であること,および,あるグラフとウサギの戦略に対して,ハンターから逃げることができる
時間の期待値の下限が&mimetex(\displaystyle \frac{n\log(diam(G))}{2072});であるこ
とを示した.
***松田 康雄(久留米高専)[#matuda-01]
Yasuo Matsuda (Kurume National College of Technology)
-タイトル(Title):楽しむ初等数学 &br;
-アブストラクト(Abstract):
1.自己紹介
2.初等数学
① 王様分数 1/89=0.011235955? の小数はフィボナッチ数列の並びになっている。(2桁以上の整数は前の位に繰り上がる)。分母89の意味は?
② 正三角形以外の任意の三角形の外心(O), 重心(G), 垂心(H)はオイラー線上にある。しかし一般的に内心(I)はオイラー線上にない。内心がオイラー線上にある三角形は存在するのか?存在するとすれば、OG:GH=2:1のような関係があるのか?
③ 放物線 y=x^2 と接し隣り合ったものどうし
が外接する円の直径は1,3,5,7,…となる。
これって偶然?
④ 四角形の重心ってどこ?
⑤ 二次曲線の離心率を見る方法はあるか?
といった問題に対する自分なりの解答を述べます。
#ref(parabola.PNG,nolink,182x248)
#ref(circle.PNG,nolink,152x139)
3.すうがく問題集
① あるコンビニが「コーヒ4杯でもう1杯プレゼ
ント」というサービスを始めた。コーヒ-を25杯
買えば全部で何杯飲めるか?
② 時計の長針と短針のなす角度が95°で丁度何時何
分かを指している。何時何分か?
③ 1円玉を固定されたn個の1円玉の回りを回転させ
ると何回転するか?
④ 50円切手と80円切手を使って表すことができない
最大の料金(10の倍数)はいくらか?
⑤ ある島には朝、赤、青、緑のカメレオンがそれぞれ10,15,25匹いた。このカメレオンは異なる色の2匹が出会うと2匹とも第3の色に変わるという。夕方このカメレオンたちは全部同じ色になっていた。何色になっていたか?(増田一男、高校生のための数学教室、数学のたのしみ10、日本評論社)
といった、数学的なパズル、パズル的な数学を紹介します。
***神吉 知博 (松江高専)[#kamiyoshi-01]
Tomohiro Kamiyoshi(Matsue National College of Technology)
-タイトル(Title):部分ルート格子の数え上げと一般化されたスターリング数について
&br;(On counting root sublattices and a generalized Stirling number)
-アブストラクト(Abstract):
我々は,ルート系の部分集合が生成する部分空間の数え上げにおいて,第2種スターリング数の自然な一般化が現れることに気が付いた.&br;
本講演では,スターリング数の一般化を行い,その漸化式や母関数,明示式等について述べたあと,部分ルート格子の数え上げを行いたい.時間が許せば,Hsu-Shiue による一般化との関係についても説明したい.この講演は,奈良工業高等専門学校の名倉誠氏と関東学院大学の大谷信一氏との共同研究に基づいている.
***岩見 智宏 (九州産業大)[#iwami-01]
Tomohiro Iwami (Kyushu Sangyo University)
-タイトル(Title): アソーシエーション・スキーム的な手法を考慮した、亜群による商空間の構成に現れるブートストラップ型定理 &br;(Bootstrap type theorem in the construction of quotient spaces by groupoids with regards to "association scheme"-like methods)
-アブストラクト(Abstract):
In the context of birational geometry,the log minimal model program (LMMP) for semi-log canonical (slc) pairs,like reducible log pairs,as an extended form of LMMP,have been achievd mainly by O.Fujino and J.Kollar,recently.The author had shown a projectivity criterion,which is a minor refinement of Shokurov's conjectural form as proto-type,for algebraic spaces as coarce moduli in the sense of S.Keel-S.Mori, by the LMMP for slc pairs.
The "bootstrap type theorem" in the title is a kind of expression of relations among equivalence classes in the existence of etale slice,such as a theorem of Luna-Vust, appearing in the construction of quotient spaces by groupoids according to S.Keel-S.Mori.
In this talk,the author will report several results about reinterpretation of the bootstrap type theorem with regards to association schemes,especially in order to present a numerical criterion for the projectivity from the view points of these datum.
** 第1回 2013年 6月 29日(土) [#mc68u8y]
-場所:[[リファレンス駅東ビル:http://www.re-rental.com/index.html]] 会議室I(2階)~
-時間:13:00-18:00
-講演者: 坂内英一(上海交通大/九州大学),栗原大武(北九州高専),澤正憲(名古屋大),江藤宏(九工大),大輪拓也(NII)
-プログラム(Program)
||~講演者(Speaker)|~タイトル(Title)|
|12:55-13:00|>|開会宣言(谷口 哲至)&br; Opening (Tetsuji Taniguchi)|
|13:00-13:50|[[坂内 英一>#bannai-01]]&br; (Eiichi Bannai)|デザイン理論のめざすもの、特に tight relative t-designs について&br;(A survey on tight relative t-designs)|
|14:00-14:50|[[栗原 大武>#kurihara-01]]&br; (Hirotake Kurihara)|複素グラスマン空間上の大対蹠集合のデザインによる特徴付け&br;(A characterization of great antipodal sets of complex Grassmannian manifolds by designs)|
|15:00-15:50|[[澤 正憲>#sawa-01]]&br; (Masanori Sawa)|ワーリング問題に関するある代数的恒等式と単体上のデザインの相互関係について ~ ヒルベルトの定理の別証明他&br; (On the relationship between designs on the simplex and algebraic identities coming from Waring's Problem -- An alternative combinatorial proof of Hilbert's theorem and some other topics)|
|16:00-16:50|[[江藤 宏>#eto-01]]&br; (Hiroshi Eto)|頂点数が最大となる正則誘導部分グラフの探索&br;(Finding Maximum Regular Induced Subgraphs)|
|17:00-17:50|[[大輪 拓也>#ohwa-01]]&br; (Takuya Ohwa)|検索連動型広告における予測と最適化&br;(Prediction and optimization for search engine advertising)|
|17:55-18:00|>|総括(溝口 佳寛)&br; Closing (Yoshihiro Mizoguchi)|
#br
-アブストラクト(Abstract)
***坂内 英一 (上海交通大/九州大学) [#bannai-01]
Eiichi Bannai (Shanhai Jiao Tong University / Kyushu University)
-タイトル(Title):デザイン理論のめざすもの、特に tight relative t-designs について&br;(A survey on tight relative t-designs)
-アブストラクト(Abstract):
球面 t-デザインと組合せ論的 t-デザインの類似性、それらをそれぞれ拡張しているユークリッド t-デザインと
relative t-design in H(n,2)
(あるいは一般の Q-多項式アソシエーションスキームにおける relative
t-design)の類似性、などを我々はデザイン理論においてどのような問題を考えたいかという観点から議論したい。具体的には、tight
ユークリッド t-デザインの理論がどのように tight
relative t-design の理論に拡張されるべきで現在のところ何が分かっていて何がわかっていないかを解説する。といっても分かっている
部分は非常に少ない。その分かっている部分は、最近
の2つのプレプリント, Bannai-Bannai-Suda-Tanaka, On relative t-designs in polynomial association schemes, arXiv:1303.7163 と
Bannai-Bannai-Bannai, On the existence of tight relative 2-designs on binary Hamming association schemes, arXiv:1304.5760
にもとずいている。
***栗原 大武 (北九州高専) [#kurihara-01]
Hirotake Kurihara (Kitakyushu National College of Technology)
-タイトル(Title): 複素グラスマン空間上の大対蹠集合のデザインによる特徴付け&br;(A characterization of great antipodal sets of complex Grassmannian manifolds by designs)
-アブストラクト(Abstract):
デザインとは、ある空間内の有限個の点集合で全体を「うまく」近似するような性質を持ったものである。
「良い」デザインは、対称性が高い、アソシエーションスキームの構造が付随する、様々な分野の重要なものから得られる、 など興味深い性質を持つ。
これまでにデザイン理論は球面やQ多項式アソシエーションスキームなど多くの空間の上で考えられてきた。&br;
本講演では主に複素グラスマン空間上のデザイン理論について考察する。
また、複素グラスマン空間上の大対蹠集合と呼ばれる微分幾何学的に「良く」散らばった有限集合をとある「良い」デザインとして特徴付られるということを説明する。&br;
今回の結果は奥田隆幸氏(東北大)との共同研究によって得られたものである。
***澤 正憲 (名古屋大学)[#sawa-01]
Masanori Sawa (Nagoya University)
-タイトル(Title): ワーリング問題に関するある代数的恒等式と単体上のデザインの相互関係について ~ ヒルベルトの定理の別証明他~
(On the relationship between designs on the simplex and algebraic identities coming from Waring's Problem -- An alternative combinatorial proof of Hilbert's theorem and some other topics)
-アブストラクト(Abstract):
斉次多項式&mimetex((x_1^2 + \cdots + x_n^2)^r);を有限個の&mimetex(2r);乗項&mimetex((\alpha_1 x_1 + \cdots + \alpha_n x_n)^{2r});の和により記述する代数的恒等式をヒルベルト恒等式という.この恒等式はワーリング問題におけるヒルベルトの解(1909, Math. Ann.)に由来するが,その後の研究を通じてヒルベルトの第17問題をはじめ様々な代数的問題との関わりが指摘されてきた.またヒルベルト恒等式は球面積分に対する求積公式とも深く関与することが知られており,その相互関係の解析は両分野に多くの知見をもたらしている.&br;
本講演ではヒルベルト恒等式と球面的な求積公式との相互関係,および関連する基礎的事項を幾つか紹介する.そのうえで,球面的な求積公式と"単体的な"求積公式との関係付けや,ヒルベルトによるある有名な定理の組合せ論的別証明を行う.
***江藤 宏(九州工業大学)[#eto-01]
Hiroshi Eto (Kyushu Institute of Technology)
-タイトル(Title): 頂点数が最大となる正則誘導部分グラフの探索~
(Finding Maximum Regular Induced Subgraphs)
-アブストラクト(Abstract):
頂点数を最大とする正則部分グラフ探索問題は,グラフ&mimetex("G=(V,E)");が与えられたとき,頂点部分集合&mimetex(S);によって誘導される部分グラフ&mimetex(G[S]);が指定した次数&mimetex(r);の正則であり,頂点数が最大となるような&mimetex(S);を見つけ出す問題集合である.本問題は,グラフ&mimetex(G[S]);の頂点がすべて連結である解を探索する問題(Maximum r-Regular Induced Connected Subgraph,r-MaxRICS問題)と,2つ以上の非連結な正則誘導部分グラフの頂点数が最大となるような解を探索する問題(Maximum r-Regular Induced Subgraph,r-MaxRIS問題)の2つに大別することができる.r-MaxRICS問題,r-MaxRIS問題のいずれも,一般グラフにおいて,NP困難であることが知られている.&br;
本講演では,特別なグラフクラスに限定した場合について考える.まずは,平
面グラフまたは2部グラフに入力を限定したとしても,整数rにおけるr-MaxRICS
問題およびr-MaxRIS問題がNP困難であることを示す.さらに,それら2つのグラ
フが木に近い構造を持ことで,NP困難であった問題を効率良く解くことが可能に
なることを述べる.より厳密には,木幅を限定したグラフにおいては,線形時間
で最適解を求めるアルゴリズムを示し,弦グラフにおいては多項式時間で最適解
を求めるアルゴリズムを示す.&br;
(共同研究者: 朝廣雄一(九産大),伊藤健洋(東北大),宮野英次(九工大))
***大輪 拓也(国立情報学研究所)[#ohwa-01]
Takuya Ohwa (National Institute of Informatics)
-タイトル(Title): 検索連動型広告における予測と最適化~
(Prediction and optimization for search engine advertising)
-アブストラクト(Abstract):
インターネット広告の一つである検索連動型広告は、広告効果が高く効率も良いため、近年の広告費に占める割合は非常に大きくなってきている。実際に運用するためには検索ワードの選定や入札などの業務が必要だが、キーワード数が膨大なため人手の管理が難しく、予測や最適化の機能を有した自動ツールのサービスが広く利用されている。本講演では、講演者が前職で携わっていた自動ツールにおける予測と最適化について紹介をする。また、インターネット広告やそれにまつわる研究についても概観する。